帰国子女ってよく聞くけど、はっきりした定義って知っていますか?
実は、一般的に使われる帰国子女と、受験で利用できる基準って、ちょっと解釈が違うことがあるんです。
中学・高校受験と、大学受験ではまた少し基準が違ったりするんです。
自分は帰国子女だと思っていたけど、帰国子女枠が使えない!なんてことがないように、しっかりとわかりやすく解説していきます。
帰国子女の定義って?どうして「子女」?
まずは、帰国子女という言葉の意味を調べてみました。
外国での生活を経て,日本に帰国した学齢期の子供。帰国児童生徒。
辞書:Oxford Languagesより
親の仕事の都合などで海外で長く過ごして帰国した子供。
辞書:日本国語大辞典より
などと書かれています。
一般的には、「親の仕事の都合」で「学齢期」に「海外で生活をしていた」子ども。ということになります。
ちなみに、学齢期とは、小中学生のこと。
義務教育期間中に海外での生活を長く続けていた子が、帰国子女といわれているようです。
では、文部科学省の定義は、どうなっているかというと
なお、「帰国児童・生徒」とは、海外勤務者等の児童・生徒で、引続き1年を超える期間海外に在留し、前年4月1日から翌年3月31日までの間に帰国した児童・生徒をいいます。
文部科学省公式サイトより引用
- 児童とは、初等教育を受けているもの。→小学生
- 生徒とは、中等教育を受けている者→中学生・高校生
ちなみに、高等教育を受けている者(大学・高等専門学校に在籍する者)は「学生」といいます。
専修学校・各種学校に通う専門学校生(専門学生)などは「生徒」、
就学前教育の段階にある幼稚園児や保育園児は「幼児」です。
日本語難しい…
なので、文部科学省の定義で言えば、
「親の仕事の都合」で「1年以上海外に住んでいる」「小・中・高校」の子供、ということになります。
1年以上は、その名の通り365日以上、住んでいる必要があります。
なので、「親の都合で8か月だけ海外に住んでいた子」は、帰国子女になりません。
また、自分の意志で「海外留学」した子も、帰国子女とは言いません。
また、よくある質問ですが、どうして「子女」?男子はダメなの?
し‐じょ〔‐ヂヨ〕【子女】 の解説
1 息子と娘。子供。「―の教育」2 娘。女の子。「良家の―」
goo辞書より引用
子女というのは、「良家の子女」というように、女の子にだけ使われる場合もありますが、
帰国子女のばあいは、1の、息子と娘、子ども、という意味です。
なので、帰国子女は、「外国から帰国した(男女の)子ども」ということになりますね。
- 「親の仕事の都合」で「1年以上海外に住んでいる」「小・中・高校」の子供のこと
- 自分の意志で「海外留学」した子は帰国子女ではない
- 親の都合で海外に住んだけど、1年未満で帰国した場合は帰国子女ではない
- 親の都合で1年以上海外に住んだけど、帰国が未就学児だった場合は帰国子女ではない
海外子女・帰国子女の強い味方!迷ったらまずここに相談。
中学・高校受験で使われる「帰国子女」の定義
では、親の都合で1年とちょっと海外で暮らした子どもは、いわゆる「帰国子女枠」を利用できるのでしょうか。
実は、編入や受験等で帰国子女枠を利用する場合、文部科学省の定めた定義ではなく、学校独自の定義が使われます。
うちの子は、小1~小3まで、約2年間海外に住んでいたから、帰国子女枠で受験しようと思ってる。
という場合、かなりの確率で帰国子女枠は利用できません。
中学受験も、高校受験も、海外で暮らした期間が1年以上、長いと3年以上といった条件があり、学校によってまちまちです。
また、海外で暮らした期間が2年以上、かつ、帰国から2年以内、といった条件がある学校も少なくありません。
もし、これが帰国子女枠を利用できる条件だとしたら、小学校5年生になってから(4月1日以降)に帰国して、なおかつ小学校3年生以前に海外で暮らし始めなければ、条件にあてはまりません。
帰国子女枠を利用するために、小5の4月に帰国するとギリギリ期間が足りないから、2週間帰国を伸ばした、という知り合いもいました。
始業式には間に合わないけど仕方がない、という感じでした。
帰国子女枠が使えないとなると、ずっと日本で、日本の学校の勉強をしてきた周りの子たちと同じ条件で受験に臨むことになります。
これは、やっぱりどう考えても不利…
なので、数年で帰国が必ず決まっている駐在者は、絶対に「日本の勉強」を維持してください。
厳しいことを言うようですが、中学受験も高校受験も、英語だけではどうにもなりません。
通信教育も、海外に住む子たちに合ったものを利用してほしい。
もし、全然やらない、わからないところが多いなど、通信教育が合わなかった場合は
勉強の習慣がついていない、勉強の仕方がわからないだけなので、習慣がつくまででもいいので、家庭教師をお願いするのがベストです。
大学受験になると、また定義が少し変わってくるので、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
コメント