海外駐在や帰国子女と聞くと、キラキラした表面だけを見がちですが、子供たちの心の中ではいろんな葛藤や言葉にできないモヤモヤした感情などを感じていることが多いんです。
- 不登校になりがちなタイミングってある?
- 学校に行きたくなくなる原因ってどんなものがあるの?
- 相談機関ってあるの?
- 最低限やっておいたほうがいいことってある?
実際に我が家の上の子は、アメリカ駐在中に何度か学校に行けなくなることがありました…
下の子も、学校には行っていたものの、眉間にしわを寄せ疲れ切って帰ってくる姿を見て、親であっても何もしてあげられない歯がゆさを感じたことも1度や2度ではありません。
今回は、私たちが経験したことも踏まえて、子どもたちにも当時の気持ちや様子を聞きながら、もし子供が傷ついてしまった時、不登校になってしまった時にどうしたらいいのかを考えてみます。
学校に行きたくないな…と思ってしまう主な原因
文部科学省の発表では、日本国内での小中学生の不登校生徒は約18万人と言われています。(平成 30 年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について:文部科学省からの抜粋)
そのうち約5万人が小学生で、13万人が中学生といわれています。
その中の何人が帰国子女なのかという情報は、残念ながら統計としては出ていませんでした。
ただ、私の知り合いの情報をいろいろと考えてみても、案外少なくない人数が不登校もしくはそれに近い心理状態になっているのかもしれません。
大人だってつらい、環境の変化
一時帰国とは違って、本帰国の場合引っ越し前もかなりバタバタしているし、帰国後もあれやこれや、手続きしたり買い物に行ったり、大忙しですよね。
うちの場合、アメリカから母子帰国だったことや、大型犬を飼っていたことなどなど、色々「家探しの条件」が厳しくて…
本当にギリギリに帰国してしまいました。
なんと、帰国した次の日が入学生テストの2日前。
引っ越しの疲れや時差ボケがあって、本人たちはすごく大変だったと思います。
私は、子どもたちが学校に行ってくれるから、片付けはかどるわーとか思っていました。反省…
また、今まではスクールバスや自家用車での送迎だったのに、電車通学になる子もいると思います。
特に大都市での電車通学は、大人でも日々ストレスとの闘い。
乗り換え時の緊張や、ちょっとしたトラブルが「(電車に乗りたくないから)学校に行きたくない…」につながることも。
ちょっと慣れてきた頃にどっと疲れが出てしまって、休みがちになるところから不登校が始まったりするので、ここは注意しておきたいポイントですね。
外国から来た子という目で見られる違和感
良くも悪くも「帰国子女」というレッテルは必ず貼られます。
どうしても最初は帰国子女って目立っちゃうんです。
目立たないようにおとなしくしていても、帰国子女という目で見られてしまいます。
場所にもよりますが、小学校低学年のうちはまだ周りも幼いので順応できることが多いんです。
でも、小学校高学年~中学生という微妙な年齢だと、自分は順応しようと思っても、周りが「目立つ帰国子女」を良く思わないこともないとは言えません。
- あの子、帰国子女なんだって
- 日本語話せるのかな?
- 英語ペラペラで発音良すぎてウケるw
- 英語が話せるからってなんか生意気…
- 帰国子女って英語しかできないってホント?
- 帰国子女ってお金持ちなの?
- え、今流行ってる〇〇を知らないの?
などなど、こんな理不尽なことを言われることだってあるんです。
本当に残念なんですけど…結構こういうことを言う「大人」も多いんです。
もちろん、そんな意地悪な子は皆無、みんなやさしくて楽しい学校生活が待っているケースだって十分あります。
それに関しては本当に学校・地域によるので帰国前に学校の様子、荒れ具合などはチェックしておくといいと思います。
ウチの場合、中国から帰国したときに住んだところが結構保守的な地域だったので、「受け入れてくれていない感」がものすごく強かったです。
保護者懇談会で自己紹介をしたとき、クラス中がザワザワしたのを、今でもはっきり覚えています。
約半年でアメリカに引っ越すことは決まっていたので、何も考えずに学校を決めてしまったのですが、たとえ短期間でも、もっと調べてから帰国するべきだったな、と反省しています。
圧倒的に多いのは友達関係
転校生って良くも悪くも注目されています。
それが「外国から来た子」だったらなおさら。
子ども自身、新しい環境にワクワクしているせいもあり、海外現地校と同じようにフレンドリーに話しかけたり、結構グイグイ意見を言ったりすることも。
それを受け入れてくれるクラスなら、きっと楽しい学校生活が始まること間違いなし。
なんですが、戸惑ってしまう子も多いのはしょうがないことなんです。
今までやってきた遊びや、経験なども全く違うので、「好きな歌手は誰?」「Billie Eilish!!!」「え…」なんてことも。
これは、「日本人は他文化を受け入れない」とかいう問題ではありませんし、そう考えてしまうのはとっても危険。
例えばアメリカで「Who is your favorite singer?」って聞かれて「ジャニーズの○○くん」って言われても、「…What?」ってなるのと一緒。
外国ではそれが当たり前の反応だと納得できても、日本で「誰?それ知らない」って言われると、やっぱり傷ついちゃうんですよね。
不登校になるくらいだから、本当は学校でヒドイいじめにあっているんじゃないかと思ってしまいます。
でも、文部科学省の調査によると、「学校における人間関係(私立・中高の合計)」に課題を抱えていると回答した生徒の統計を見てみると、
- いじめ…0.6%
- いじめを除く友人関係をめぐる問題…27.8%
- 教員との関係をめぐる問題…3.1%
- 学業の不振…21.6%
- 入学・転編入学進級時の不適応…6.8%
あからさまないじめよりも「いじめを除く友人関係をめぐる問題」が圧倒的に多いのがわかります。
実はこういった「日々のすれ違い」の積み重ねで、何となく心が重くなって孤独感を感じたり、ある時プツンと糸が切れるようにストレスが爆発してしまったり。
そんな小さなきっかけから不登校が始まってしまうことが、結構多いんですよね。
勉強の遅れもダメージが蓄積されていく
文部科学省の統計表にもありますが、「学業の不振」による不登校も約2割。
帰国子女の場合、日本の学校と海外の学校では進度が全然違う場合が多いです。
現地校に通っている場合、日本で必ずやらなければいけない単元が、丸々抜けていたり、やったけど「日本語でなんて言うのかわからない」状態だったり。
悲しいことに「帰国子女だから英語しかできない」とか、「帰国子女って案外…」なんて心無い言葉を言う人もいるんです。
また、「教員との関係をめぐる問題」が約3%ありますが、時々聞くのが英語の先生との問題です。
自分よりも英語ができる生徒が目障りだと、あからさまに低評価をつける教師もいましたが、多くの場合、良かれと思って「模範解答」として英語を話させる場合も、子どもたちにとっては重荷になってきます。
また、良くも悪くも「帰国子女受験」って少しレベルの高い学校に入れちゃうことがあるんですよね。
数学が苦手だけど、英語が満点だったから入学できた。
これって全然悪いことじゃないんですが、海外子女の勉強の遅れに対応してくれている学校かどうか、事前にしっかり調べておく必要があります。
習熟度別のクラスがあるとか、塾や家庭教師で後れをカバーするとか、入学前にどのような対策が取れるのかも調べておきたいですね。
年齢が上がるほど深刻に
文部科学省の発表でも、日本の小中学生の不登校生徒18万人のうち、約5万人が小学生で、13万人が中学生という結果が出ています。
やっぱり学年が上がるにつれて、問題は深刻になってしまいますよね…
帰国子女じゃなくても、多感なお年頃。
小学校低学年のうちは、周りの友達もまだ幼く、きっかけさえあれば軌道修正できそうですが、高学年、中学生になってくると、自分だけじゃなく、周りも多感になってきます。
小5・小6あたりから友達関係も複雑になってくる年齢ですし、中学生になると勉強も一気に難しくなります。
この頃に帰国が重なる方は、より慎重な学校選びが必要になってきます。
帰国後不登校になった場合、何をどうしたらいい?
まず、やってはいけないことは「無理に学校に行かせる」ことです。
親としては、一度休むと休み癖がついてしまうんじゃないかと心配になってしまうんですが、無理に行かせても何も解決しないどころか、悪化しかしません。
「学校に行きたくない」と直接親に言えるなら、ほんの少しだけ安心です。
いちばん辛いのは、学校に行きたくない、学校がツライと誰にも言えない状態の時。
子供が学校に行かないと、親もとても心配になると思いますが、まずは子どもの気持ちをしっかり聞いて受け入れてあげてください。
学校に行かなくても将来の道は閉ざされません。
いろんな制度も整備されてきています。
いろんな制度を使って、家で勉強すれば「学校が出席扱いになる」ことだって可能です。
なので、安心して「よし、じゃあ今日からお家で勉強しよう」と声をかけてみてください。
まずは学校(スクールカウンセラー)に相談する
海外で不登校になった時と同じく、スクールカウンセラーにまずは相談してください。
カウンセリングルームや相談室を設けている学校の場合は、学校を通じてスクールカウンセラー・臨床心理士等に相談するといいです。
その場合、学校の先生にまずは相談してみる。
そこからスクールカウンセラーに相談という流れが一般的なようです。
公的機関に相談する
日本の場合、実は公的機関も充実しているんです。
地域支援センター、教育相談センター、児童相談所、保健所などは、各都道府県や市区町村などに設置されています。
社会福祉士、精神保健福祉士、臨床心理士などの専門家が在籍し、不登校やひきこもりの相談を無料で受け付けています。
ここから医療機関や民間の不登校支援施設を紹介してもらえることもあります。
文部科学省が提唱している「24時間子どもSOSダイヤル」(クリックで各市区町村の相談窓口一覧PDFが開きます)や、法務省の「子どもの人権110番」警視庁の「ヤングテレホンコーナー」なども子供の悩みを聞いてくれる窓口が用意されています。
医療機関に相談する
心療内科や児童精神科を受診するのも一つの方法ではありますが、
医療機関の場合、カウンセリングだけではなく投薬治療も取り入れられることも多いです。
あまりにも、自殺願望が強いとか、自傷や攻撃性が高くなるといった、顕著な症状がある場合は投薬もやむなしと思いますが、
不登校の場合どこまで必要なのか…私はちょっと疑問に思っています。
まずは、スクールカウンセラー・公的機関に相談をして、そこからの紹介であれば受診するという手順のほうが無難なのではないかと思います。
そして必ず勉強は続けておく(★重要★)
不登校になったから将来の道が閉ざされてしまう、なんてことはどうしても避けたいです。
学校に行かなくても、出席扱いになる通信教育などを利用して、なんとなく心が軽くなって学校に行こうかな、って思った時に備えてください。
子ども自身も、学校に行けないことをすごく気にしているし、不安に思っているはずです。
最近は、通信教育などを使って自宅で勉強していても「出席扱い」にしてくれる制度も充実してきました。
この勉強をしておけば出席扱いになる、という救いがあるだけで気持ちも少しは軽くなるんじゃないかと思います。
勉強をおろそかにしてしまうと、次に登校したときに今度は勉強がわからないという壁にぶつかってしまいます。
そんないらない壁を増やさないためにも、計画的に勉強だけはしておきましょう。
不登校生徒に寄り添った通信教育【すらら】
先日、すららのオンライン説明会に参加してきました。
そこで、不登校についての話をたくさん聞いたのが、今回この記事を作ろうと思ったきっかけの一つになります。
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不登校は先の見えないトンネルの中にいるような気持になってしまうことが多いですが、このように将来の道筋がいくつも見えていると思うと、子どもも親も安心できるし、希望が持てますよね。
すららもティントルも、帰国前から活用することも可能ですし、もちろん通信教育や家庭教師としても、実績も経験も折り紙付き。
なんとなく、帰国後子どもが学校に馴染めるか不安だな、と思ったら、一度相談してみることをお勧めします。
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帰国子女が不登校になってしまう理由と解決法を考える:まとめ
今回、案外多い海外子女・帰国子女が不登校になってしまった場合の考えられる対処法などをご紹介してきました。
子どもが不登校になった時、子供たちもかなり辛い思いをしていますが、親だって、不安や焦り無力さなどが入り混じって、本当に辛いと思います。
私も子供が学校に行きたくない辛い、と言われた時期があったからわかるんですが、ここで親がオロオロしてしまっては、子どもはもっともっと不安になってしまうんですよね。
なので、まずは子どもにも大人にも逃げ道を作りましょう。
学校に行かなくても、すららで勉強しておけば大丈夫。高校受験だって大学受験だって、出席日数が足りていればチャレンジできるって思っていれば、将来どうなっちゃうんだろうっていう不安が一つ消えますよね!
ひとりで解決しようと思っても、かなり難しい問題であることは間違いありません。
専門家に相談しながら、一歩ずつ少しずつ問題解決の糸口を探っていきましょう。
\まずは自宅学習でも出席扱いにすること/
海外子女・帰国子女向けの通信教育についてはこちらの記事もどうぞ。
親だって大変です…
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