帰国子女って英語しかできない。とか、
仕事ではつかえない。とか、
そもそも英語すらできない。とか…
そんな声を聴いたことはありませんか?
日本に住んでいればやらなくてもいいような苦労をしているのに、帰国子女というレッテルを貼られ、悔しい思いをした子女の方も多いと思います。
ただ、残念なことに「英語が喋れる」という状況にあぐらをかいてしまって何の対策もしていなかった場合、
「使えない帰国子女」になってしまう危険性が高いのです。
では、どうすれば「使えない帰国子女」を回避できるのか、そもそもなぜ「使えない」と言われてしまうのか、
トータル10年以上海外で子育てをしてきた私、知佳が今まで見てきた例をあげて、わかりやすく説明していきます。
まずは、私の自己紹介を簡単にさせてください。
- 2004年から1歳・4歳の子供を連れて中国に駐在、約4年半
- 2011年から約6年間、小1、小4の子供を連れてアメリカ駐在約6年間
- 子供たちは小学6年生・中学3年生の時点で、英検準1級、TOEIC800点オーバーの実績があります。
- アメリカ駐在中に中学受験・高校受験を経験しています。
- 偏差値69の私立中高一貫校に特別推薦枠で入学しています。
- 語学は超苦手(汗)多分3歳児並み…それ以下かも(涙)
- どちらかといえばコミュ障。友達100人作りに行くタイプではありません。
トータル10年以上、子供と一緒に二か国の駐在経験があります。
海外での経験を生かして、将来日本だけではなく世界でも活躍できるように、
帰国子女でよかった、と思えるように、一緒に考えてみましょう。
帰国子女とは・帰国子女の定義
とあります。
ざっくりいうと、【保護者の都合で海外についていった子供が日本に帰国した状態】
が帰国子女です。
「留学」とは違うので、帰国子女枠を使えるのは「帰国子女」だけになります。
1年間の帰国子女の数を考えてみる
平成27年という少し古い情報にはなりますが、
ピークから見ると少し落ち込んだ時期もありましたが、そこからまた年々増えてきているのがわかります。
なぜ「帰国子女は使えない」と言われてしまうのか
一昔前、帰国子女は超売り手市場で、帰国子女というだけでいい大学にも入れて、一流企業からも「引く手あまた」だった時代もありました。
ただ、今の時代、海外で暮らしていなくても英語をしゃべることができる学生はたくさんいます。
そのような子たちは総じて、日本での学業成績もよくできる子が多いんですよね。
そのような日本にしか住んだことがない子たちと比べて、帰国子女が使えないといわれてしまう理由は何でしょう。
ざっくり理由を挙げるとすれば以下4つ。
理由1 帰国子女は日本語が正しく使えない
海外、特にアメリカに駐在した方に多いのですが、英語の勉強に力を入れすぎるあまり日本語をしゃべる機会が極端に少ない場合があります。
任期は3年だから全力で英語だけやらせます!
という方がたまにいらっしゃいます。
特に、英語ができるお母さんは「家でも日本語禁止!」なんて極端なことをしてしまいます。
すると、英語は喋れるようになりますが、気づいたら日本語が出てこない。なんてことも。
会話の中に横文字がたくさん出てくる人としゃべるのは、やっぱりちょっと疲れます。
解決策
海外で生まれて、この先も海外に永住するのであれば、母国語は英語になると思いますが、
何年海外で暮らしたとしても、帰る先が日本なのであれば、日本語の勉強はしっかりやらなければいけません。
子供が帰る先は日本だということをしっかり理解しましょう。
子供たちは外で、たくさんの英語に接しています。
しゃべれるからと言って、ラクに生活しているわけではありません。
その点、お母さんは家で一人でいることが多いので、どうしても子供が帰ってくると「英語!英語!」と言ってしまうのですが、それははっきりいて親のエゴです。
自分の英語上達のために子供を使ってはいけません。
大丈夫。家で英語ばかりやらせなくても子供はすぐ親を抜いていきますよ。
外で何時間も「外国語」で生活しているのですから、家に帰ったら日本語でいっぱい話をしてあげてください。
日本語維持に絵本の読み聞かせをするものとてもいいと思います。
読みながら、いろんな想像を膨らましてお話をするのって楽しいですよね。
\うちにも150冊以上の絵本がありました。/
\音読も日本語維持には最適です/
理由2 そもそも駐在期間が短すぎて英語が喋れない・英語圏ではない
実は、駐在期間が短すぎて英語が喋れない帰国子女ってたくさんいます。
さらに、駐在地が英語圏ではないのに、ひとくくりに帰国子女=英語が喋れると誤解されているところもあります。
帰国子女なのに、英語しゃべれないの?
なんて言われたら、
じゃあ、あなたが行って体験してみてよ!
って、言いたくなっちゃいますよね。
英語でネイティブと問題なく会話ができるって、実は案外難しいんです。
私の子供たちは6年間アメリカで暮らしました。
アメリカの前は中国で4年間過ごし、インターナショナル幼稚園に通い、中国語と英語の生活をしていましたが、それでも
相手の話を聞いて→理解して→答える。
をリアルタイムで瞬時に対応できるようになるまで2年以上はかかりました。
旅行者などに対する喋り方ではないので、優しくゆっくり喋ってくれるわけではありません。
特に子供同士の会話はマシンガントークで次々と内容も変わっていきます。
それを理解するには相当努力が必要です。
そして、小さいお子さんに多いと思うのですが、
現地の幼稚園などでペラペラと英語を、それも完璧な発音でしゃべる姿を見ると、
このまま英語が得意になるのでは?と思われがちですが、小さければ小さいほど光の速さで忘れてしまいます。
そして、記憶に残ることはありません。
解決策
短期間での英語圏駐在では、英語も日本の勉強も、どちらも中途半端になりがちです。
「こどもは自然に英語をしゃべれるようになる」
というのは、半分正解で半分間違いです。
大人よりは吸収が早く、きれいな発音でしゃべることができるので
うちの子すごい!子供ってすごい!
と思われがちですが、
乳幼児じゃない限り、子供本人は何を言っているのかわからない集団の中に急に入れられて、ものすごい集中力で努力して、相手のしゃべっていることを理解しようとしています。
全く物おじしない子であれば、いくつかの知っている単語を使ってみて、相手の反応を見ながら覚えていくことができますが、
そうじゃない子は、ただただ、意味の分からない言葉の洪水の中に身をゆだねているだけになりかねません。
赴任した最初の半年は、現地のチューターをつけるか、日本のオンライン英会話を最低でも週3回はさせてあげてください。
たとえ短い時間でも、毎日できればそれだけ上達は早くなります。
ただ、赴任直後に現地のチューターを探すのは、結構大変ですよね。
日本語が少し話せるチューターともなれば、人気があるので必要な時間数を確保することが難しいかもしれません。
オンライン英会話であれば、わざわざ現地で先生を探す手間が省けますし、24時間対応の教室もあるので、海外でも使えます。
さらに、手続きなどは日本語対応なので、英語がちょっと苦手なお母さんでもラクラク!
駐在先が英語圏でなくても、
帰国後のことを考えて英語はやらせておきたい…
という保護者もとても多いのですが、オンラインであればどこの国に住んでいても日本と同じ環境でレッスンすることができますね!
そして英語を覚えるよりも難しい英語維持。
こちらに関しては英語をしゃべるという土台はできているので、細く長くコツコツと続けるしかありません。
うちの子供たちが通う学校は、海外帰国生が半数以上を占めるので、英語維持に関しては最適な環境だと思います。
英語の上位クラスは英語しか使いませんし、シェイクスピアの原典を読んで英語で感想文を書くといった宿題も出ます。
そこまでしても、やっぱりアメリカに住んでいた現役の頃よりは英語力が落ちてきているそうです。
英語保持に最適な、オンライン英会話教室をご紹介。
帰国子女専用の高額なスクールに通わなくても、オンライン英会話で気軽に英語力をキープしましょう!
理由3 帰国子女は自己主張が激しく感じられる
これは逆に駐在歴が長くなるとみられる現象ですが、海外でははっきりとモノを言う、はっきり自己主張できなければ聞いてもらえない。
という文化です。
小さいうちから自分の意見をしっかり言う習慣が出来ているので、どうしても日本社会に入ってしまうと
「自己主張が強い」
と感じられてしまいます。
解決策
今の時代、自己主張の強さというのはむしろ長所の一つにできるのではないでしょうか?
それがなぜ「帰国子女は自己主張が強い」というマイナスの評価になってしまうのか。
理由は大きく分けて3つ考えられます。
1つ目は、批判する人の嫉妬やマウント。
これを言ってしまうと、自意識過剰なんじゃない?と叩かれてしまいそうですが…
でも、嫉妬というのは言い過ぎかもしれませんが、海外に住んでいて英語が喋れるということだけで、なんか生意気…と思う人もいるんです。
実際、帰国後通っていた地元の中学校で、
あなたの英語は発音がおかしい。文法も全然なっていない。
と、5段階評価の「2」をつけられた友人がいました。
こっちとしては、たまったもんじゃありません。
もし、理不尽な差別であれば抗議することも大切です。
ただ、意味もなくマウントを取ってくる人は、注意されてもやめません。
そんな人に時間を割くより、正しく評価をしてくれる大多数の人を味方につけるほうが得策です。
2つ目は、日本語力の低さ・言葉の使い方
はっきりと物をいう、のは長所の一つになるのでは?と言いましたが、
思ったこと感じたことを素直に表現する
ことと、
思ったこと感じたことをズバズバ指摘する
では、相手が受け止める印象がかなり違ってきます。
本人は、ズバズバ指摘しているつもりがなくても、日本語の使い方ひとつで柔らかい表現になることを知らないと、どうしても直線的な表現になりがちです。
「それ嫌い」
というよりも
「こっちのほうが好き」
といったほうが、相手がより気持ちよく会話ができると思いませんか?
これは、大人でもできていない人が多いので、私も含めて子供たちと一緒に学んでいくことが大切なのではないでしょうか。
3つ目は 意見を言うということは相手を言い負かすことだと思っている
アメリカでは小学校の頃からディベートの授業が頻繁にありました。
二つもしくは三つのグループに分かれて、他の題材よりも自分たちの題材のほうが優れているというプレゼンをします。
そうすると、どうしても相手を「言い負かす」ことが自分たちの勝利になってしまって、
大きな声でまくしたてたり、
「やれやれ…」のポーズをしてしまったり。
これでは相手を怒らせてしまいますよね。
ディベートは相手を言い負かすことではなく、
「相手の意見を尊重しつつ、自分の意見を理解してもらう」
ことに重点を置かなければ、聞いてもらうことすらできません。
理由4 英語以外の勉強についていけない
これは、理由1と似ていますが、とにかく英語さえできればどうにでもなる。と勘違いされている保護者の方が陥る錯覚です。
なので、英語以外の勉強をおろそかにしてしまうケースが多く見られます。
一つ例を挙げるとすれば
アメリカの小学生中学生はあまり計算が得意ではありません。
授業中、計算は電卓でやったりします。
なので、暗算ができる日本人は
算数のできる超頭のいい人
という扱いになります。
そうすると、本人も保護者も、ちょっとだけ勘違いしてしまう場合が多いのです。
自分は算数が得意だから、やらなくてもトップをとれている。
といって、勉強をしなくなっちゃうんですよね。
「自分は算数が得意」と思って帰国した子が打ちのめされるのを何人も見てきました。
解決策
最初の半年は、英語7割、日本の勉強3割くらいでも仕方ないですが、
徐々に、英語の勉強に割く時間を日本の勉強に割り当てて、最終的には
英語1割、日本の勉強9割くらいにするくらい、しっかり日本の勉強してください。
今はオンラインで何でもできる時代です。
海外駐在の場合、一番のおススメはオンライン家庭教師。
オンラインのビデオ学習のように、流れてくるのを見るだけではなく、1対1での授業が可能なので、今の能力や進路に合わせて調整してくれるところが海外駐在者にはありがたい。
駐在が決まったら、また、駐在中にでも検討してみてください。おすすめですよ!
また、日本ではかなりの人数が利用している「スタディサプリ」
新型コロナの影響で自宅学習を余儀なくされた子供たちが多かったのですが、
その時に「スタディサプリ」を学校の授業の代わりに見せている公立学校も多かったと聞きます。
日本では、学習塾と併用しているお子さんが多いのも、お手頃な料金で大きな成果を上げることができるスタサプならではの現象ですね。
帰国子女って使えないと言わせない!:まとめ
せっかく海外駐在という経験値を得たのであれば、それを最大限に発揮したいですよね。
不安がいっぱいの駐在生活ではあると思いますし、子供の年齢や近くに日本人がいるかいないか、それぞれ状況の違いで困っていることも大変なことも違います。
不安なのは子供も一緒。
保護者が楽しんで経験を積んで行けば、子どももしっかりついてきます。
- つかえないと言われてしまうのは「帰国子女だから」ではなく、本人の問題
- それを回避するためには日本の勉強をおろそかにしない
- 駐在中にしっかりと未来のビジョンを考えておく
- 駐在中にこそ正しい勉強習慣をつけておく
日本でも世界でも活躍できる帰国子女になってください。
駐在妻って何かツライ…と思ったら、こちらもぜひ読んでみてくださいね。
帰国子女の勉強のサポートに、海外でも使えるおすすめ通信教育をご紹介しています。
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