【お悩み相談】中高生を海外駐在に帯同させたほうがいいと思う?

    海外駐在帯同

    ※一部PRが含まれます

    中高生を海外転勤に連れていくことについて、リアルでも結構相談されることがあります。

    これは本当に悩ましい問題。

    ネットを調べても賛否両論。中にはかなり厳しい意見もあるので、不安は増すばかりなのではないでしょうか。

    実際、アメリカに住んでいた時も、中学生や高校生になってから転勤してきた子って何人かいました。

    それほど仲良くなかったので、詳しいことはわかりませんが、

    かなり…大変そうでした…

    今回は、中高生になってから海外子女になるメリット・デメリットをウチの子供たちの意見も聞きながら掘り下げてみようかなと思います。

    基本アメリカの学校の話が中心になると思ってください。

    そして、もし中高生で海外子女になるという決断をしたら、絶対やってほしいことも詳しく説明していきますね。

    目次

    中高生の時期に海外で暮らすメリット

    幸せな家族

    小さいときに海外に住んでいても、結構覚えていないことが多いですよね。

    ウチの下の子は、1歳になるちょっと前から4年半ほど中国に住んでいましたが、最初の頃の記憶はほとんどありません。

    結構いろんなところに連れて行ったし、近隣の国に旅行にも行ったんですけど…

    その点、中高生になれば、経験した刺激はすべて身になる。

    日本の文化を知ったうえで、他国の文化を知ることがすごく大事なんだな、と、ウチの子供たちを見ても感じます。

    たくさん吸収することができる多感な時期に、広い世界を見ることは、その後の人生においても必ずプラスになることとでしょう!

    メリットその1:世界が身近に感じられる

    多くの方は、このメリットを得るために子どもを連れてくるのではないでしょうか。

    やっぱり、日本にしか住んだことがない子よりは、海外で暮らしたことのある子のほうが圧倒的に貴重な経験をしているはずです。

    小さい子だと忘れてしまうことが多いですが、中高生という多感な時期に経験する「世界」

    いいことも悪いこともひっくるめて、日本にいたら経験できないようなことが山ほど待っています。

    我が家も、中国とアメリカという二か国を経験することで、帰国してからのニュースの見方などもかなり変わりました。

    テレビや本でしか見たことがない世界が、目の前に広がっている奇跡。

    これだけでも、苦労して行ってよかったな~と思える瞬間です。

    子供たちは海外に行くことに全く抵抗がないので、お金と時間さえあればふらっと海外に行っちゃうんだろうな、と。ちょっとうらやましく思います。

    メリットその2:帰国子女枠が使えるけど…

    メリットその2は、帰国子女枠を使って大学入試がちょっとラクになる…場合もある。

    場合もある

    その一言に尽きます。

    アメリカの場合9月はじまり6月終わりになるので、同じ年齢の子たちと一緒に日本の大学に進学しようと思ったら、アーリー(高校を半年~1年早く卒業する)する必要があります。

    ざっくりいうと、本当は1年で取らなければいけない単位を半年で取ってしまうもの。

    ESL(英語を母語としていない人が第二言語として英語を学ぶためのプログラム )を卒業していないとアーリーできないことが多いので、中学生以降にアメリカ現地校に入った場合はかなり難しいんじゃないかと思います。

    アメリカの場合、学力によっては1年学年を遅らせたりする場合もあるので、日本の大学入学を1~2年遅らせてもいいのであれば、帰国子女枠を使うこともできるかもしれません。

    ただし、帰国子女枠で入学できる大学や、学科が決まっています。定員もあります。

    文系であれば何とかなっても、理系に進みたいと思っているのであれば、帰国子女枠受験はかなり狭き門だと思ってください。

    中高生の時期に海外で暮らすデメリット

    授業

    私たちがアメリカにいたときにも、中学2年生とか3年生で引っ越してきた子たちが何人かいました。

    中学生で渡米してくる子たちの多くは、「このまま日本で高校受験するよりも、一度アメリカに住めば帰国子女枠を使ってもうちょっとレベルの高い学校に行けるんじゃないか」と考えている方も少なくありません。

    ちょっと厳しい言い方をすれば、

    受検から逃げてきた子は、アメリカで帰国子女枠を取ったとしても、そして、そのあともうちょっといいレベルの学校に入れたとしても、その「ちょっといいレベル」についていくことは難しいんじゃないかと思います。

    勉強に関しては、相当…日本の受験生の倍以上の努力をしないと、帰国してから本当に大変です。

    デメリットその1:アメリカのティーンネイジャーは弱肉強食(笑)

    アメリカ人のお友達を作って、英語で話せるようになりたい。

    という夢をもってアメリカに行こうと思っているなら、必ずしも叶うわけではないということも覚えておいてください。

    基本的にアメリカ人は「弱いものに優しい」です。

    困っていたら声をかけてくれるし、助けてくれます。

    でも、ティーンネイジャーは弱肉強食です(笑)

    まさしく「強いものが強い」

    アメフト部、チア部といったカースト上位の子たちがやっぱり強いんです。

    そこに、英語もたどたどしい日本人が一人入ったとして、最初はやさしくしてくれるかもしれませんが、ずっとお付き合いしてくれるなんてことはありません。

    よく考えてほしいんですが、

    「アメリカに行って友達作って、英語を話せるようになりたい」というのはこっち側のメリットです。

    でも、勉強にも趣味にも恋愛にも超忙しいアメリカのティーンネイジャーにとって、「日本人の英語もわからない子が、英語が話せるようにまでお付き合いしてあげる」メリットって何かありますか?

    メリットデメリットでお付き合いしているわけではありませんが、こっちが一方的に求めるのもおかしな話ですよね。

    友達になる、分かり合えるようになるには、最低でも意思の疎通が必要です。

    そうじゃないと、対等な関係での友達ではなく、ずっと助けてもらっているだけのお荷物になってしまう危険性もあるんです。

    「アメリカ人の友達を作って、英語が話せるようになる」

    のではなく、

    英語が話せるようになって、アメリカ人の友達を作る

    だから、話せるようになるまではひとりでも頑張る!くらいの気持ちがなければ、入学早々気持ちがポッキリと折れてしまいますよ。

    あと、ティーンネイジャーの英語は恐ろしく早口、スラング盛り盛りなことが多いので、対応することは結構…大変です。

    デメリットその2:勉強についていけなくなる

    日本とアメリカでは、勉強の内容が全然違います。

    それ以前に、英語を理解していないと授業についていけません。

    そうなると、1日の大半を「英語の習得」に割かなければいけなくなります。

    が、

    そうしている間に、日本の子供たちはどんどん通常の勉強を進めていきます

    その差はどんどん開く一方。

    帰国して、帰国子女枠を使ってちょっといい高校、いい大学に入れたとして、周りの日本でしっかりと勉強をしてきた子たちに勝てると思いますか?

    いや、勝てる以前に、授業についていくことすら難しい。

    うちの子たちは、中学受験・高校受験のために日本に帰国しました。

    帰国子女大量受け入れ校だったので、入学後のサポートもしっかりしてもらえましたが、それでも周りのレベルに追いつくまでかなり大変でした。

    英語は途中から問題なく会話できるレベルで、ESLも抜けていたので「日々の英語習得」する時間は必要なかったのに。です。

    日々授業を英語で理解する努力と、それぞれの教科の内容を理解する努力、そして日本の学習進度から大きく外れないように、足りない分を埋める努力、すべて全力でできますか?

    デメリットその3:思ったより英語の習得は難しい

    多くの人が「毎日英語のシャワーを浴びていたら(インプット)、ある日突然話せるようになる」と思っているみたいですが、私の経験や周りの意見を総合すると、

    ムリです。

    毎日英語のシャワーを浴びていて、話せるようになるなら、例えばテレビでもラジオでも、YOUTUBEでも、1日中英語の放送を聞いていれば話せるようになるはずですが、皆さんはそれでペラペラしゃべれるようになると思いますか?

    多分、最初は一生懸命聞き取ろうと頑張りますが、数日もするともはやBGM。

    右から左へすーっと通り抜けていくので、インプットにすらなりません。

    おまけに、ラジオ放送のようなきれいな聞きやすい英語を話す人ばかりではありません。

    日本の英会話スクールの先生の3倍のスピードで、ちょっと訛りがあったりする英語を聞き取って理解する必要があるんです。

    だいたい、英語がネイティブレベルまで話せるようになるまでに2,000時間は英語に取り組むことが必要だと言われています。

    1日5時間しっかりと英語の正しいレッスンを受けたとしても、400日以上かかるということです。

    授業をただ聞いているだけ、聞き流しているだけ、の時間は「正しいレッスン」を受けているわけではないので、学校に行っている以外の時間英語の勉強をするとして、

    せいぜい1~2時間集中できればいいほうじゃないでしょうか。

    学校から帰ってきて、英語のレッスンをして、学校の宿題(中高ではかなり難しい宿題が出ていました。英語ネイティブレベルのうちの子たちでも結構時間がかかっていました)、日本の受験対策の勉強をして…

    っていう毎日です。

    これは、努力次第で何とかできる問題なんですが、渡米前にここまで覚悟を決めている人はなかなかいないんですよね。

    アメリカに来ても、自然に英語が話せるようになることはありません

    そして、こんなに努力をしても、帰国して英語を話さなくなったらどんどん忘れていってしまう…なんと儚いことでしょうか。

    デメリットその4:進級できなかったら?

    日本の学校とアメリカの学校の大きな違いは、

    たとえ小学生でも退学させられることもあるし、進級できない場合もある。ということ。

    日本の場合、義務教育期間中であれば、どんなに成績が悪くても1年生から2年生には自動的に進級できますが、

    アメリカの場合、1年遅らせるとか、飛び級することは普通に起こることです。

    3年アメリカに住んで、そのあと帰国して、大学受験(もしくは高校受験)という計画を立てていたとしても、

    まず、4月入学と9月入学のズレがあるので、卒業資格を得るために1年遅らせるか、半年アーリーで早めるか問題が出てきます。

    でも、順調に進学できなかったら?

    さらに1年卒業が遅くなります。

    そういったリスクも最初から考えておく必要があります。

    デメリットその5:帰国の時期がズレたとき…

    帰国辞令が思い通りの時期に出なかった場合、どうしますか?

    駐在期間3年と言われてきたけど、1年半で帰国辞令が出たっていう話はものすごくたくさん聞きます。

    逆に、3年って言われて来たのに、もう5年…なんていう人も多いです。

    ウチの夫も、毎年本帰国するする詐欺(笑)

    だいたい5年くらいの予定で渡米しましたが、結局私たちは6年、夫に至ってはその後5年以上もアメリカで単身赴任していました。

    長くなる分には、その時期になったら母子帰国すればいいだけですが、短かった場合、タイミングによっては日本の受け入れ校を探すのがかなり難しくなります。

    今現在中学生であれば、義務教育なので受け入れ校はありますが、高校生だったらどうしますか?

    高1、ギリギリ高2くらいまでなら、受け入れてくれる高校はどこかにあると思いますが、試験は必須です。

    ちなみに、いちばん帰国子女枠の恩恵を受けられないのが高校受験だと言われています。

    会社は、規模が大きくなるとなおさらなんですが、個人の家庭の事情まで考慮して人事を決めてくれません

    あと半年、というところで辞令が出た場合、子どもだけ残す、母子で残る、という選択肢も無いわけではありませんが、そうなると税金やら保険やら、かなり高額になりますし、ビザの関係などめんどくさいことこの上ない。

    そういったリスクも少なくない、ということも知っておくといいでしょう。

    中高生を海外駐在に帯同させたほうがいいと思う?:まとめ

    世界中どこにいても

    帰国子女枠を使って受験を有利にしたいという考えなら反対

    帰国子女枠を使って、高校受験を有利に、と思っているのであれば本当にやめたほうがいい。

    というのも、高校受験に関してはいちばん帰国子女の恩恵を受けられない受験だからです。

    中学生のうちに行って、2~3年で、英語だけで勝負できるような英語力をつけることは難しいと思いますし、その英語を覚えていく間に、日本で勉強しなければいけない教科がかなり遅れます

    日本で勉強しておかなければいけない教科、単元を飛ばしてしまったまま、もし高校受験に成功したとしても、入学した後かなりかなり大変なことになります。

    おまけに、高校受験で帰国子女枠を使ってしまうと、大学受験の時に使えないという悲しみ。

    もし、中学の時に渡米して、帰国子女枠を使って高校受験をするのであれば、大学付属の私立高校に入学するのがおすすめです。

    ただ、間違っても「帰国子女枠で慶応早稲田」と安易に考えないようにしてください。

    赴任中は、帰国子女対応の通信教育やオンライン家庭教師をつけて日本の受験動向をチェックするのはマスト。

    さらに、今の自分の学力・偏差値は必ずチェックして、どれくらいの学校に入れるのか、現実を見ることです。

    もし、中学~高校時代に渡米して、3年以上アメリカにいられることが決まっていて、帰国時期も大学受験に合わせることができるのであれば、まだ見込みがあります。

    この場合も、必ず日本の勉強はしっかりとやること。

    もちろんオンラインで家庭教師をつけることをお勧めします。

    海外に住んでいると、大学の情報も手に入りにくいので、早めに資料請求をするのがおすすめです。

    高校受験・大学受験、どっちを受験するにしても簡単ではないという覚悟を決めて、海外生活を楽しんでください。

    進学を1~2年遅らせてもいいから貴重な経験をさせたいというなら賛成

    もし、長い人生高校・大学に入学するのを1~2年遅らせてもいい。

    それ以上に、海外で家族で暮らす時間を大切にしたい。

    というのであれば、大賛成です。

    誰が何と言おうと、ネットで厳しいことを言われようと、行くべきだと思います。

    大変な選択だと思いますが、必ず貴重な経験、忘れられない経験ができると思うから。

    もちろん、通信教育やオンライン家庭教師で、日本の学習はしっかりと。

    英語に関しても、英検やTOEICを見据えた学習をするのがおすすめです。

    海外に連れて行って、大変な思いをするのは子どもです

    大人がいくら、「絶対将来のためになるから!」

    といったところで、子供たちは「今」を生きているわけなので、納得できないことも多いんです。

    後悔しないように子どもと話し合うのが大事

    ぜひ、家族で納得のいくまで話し合って、貴重な体験、楽しい体験をたくさんしてきてください。

    しっかりと話し合いをせず、納得しないまま海外に連れて行っちゃうと行ってからも帰ってきてからも、子供たちは辛い思いをするかもしれません。

    ただ、不登校になったとしても「今、その環境が合わなかった」というだけで、将来が無くなってしまうわけではありません。

    親としてはハラハラしますが、不安を子供に見せず陰でできるだけのことをしてあげてください。

    よかったらシェアしてね!
    • URLをコピーしました!
    • URLをコピーしました!

    コメント

    コメントする

    目次